向精神薬や脳表電気刺激の実験などからも分かるように、「脳の物理的な状態」と「体験されるクオリア」の間には緊密な関係がある。しかしながらそれが具体的にどのような関係にあるのかは未だ明らかではない。この「脳の物理的な状態」と「体験されるクオリア」がどのような関係にあるのか、という問題に対しては、抽象的なレベルにとどまってはいるが様々な仮説が提唱されている。こうした「クオリアを整然とした自然科学(とりわけ物理学)の体系の中に位置づけていこう」という試みは、クオリアの自然化と呼ばれ、心の哲学における重要な議題のひとつとなっている。
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クオリアに関する議論は様々な論点が知られているが、中でも最も大きな論争となるのは、その存在論的な位置づけに関する議論である。つまりクオリアは現在の物理学の中でどこに位置づけられるのか、という問題である。この問題に対する考え方の詳細は論者によって様々であり、一概に分類することはできない。分類方法は様々で、書物ごとに異なっている。しばしば、物理主義から二元論までの段階的なスペクトルのどこかに各人の立場が位置づけられる、ということが言われる。ここでは簡単に、以下の三種類すなわち、物理主義的立場、二元論的立場、そして判断保留型、の三つに分類し説明する。哲学的な立場に関するより詳細な分類については、たとえばチャーマーズによるA, B, C, D, E, Fの6分類、またヴァレラによる二次元な分類などが比較的よく知られている。
クオリアは何か非常に真新しく、現在の物理学の中には含まれていないものように見えるが、そんなことはない、すでに含まれているのだ、という立場。こうした立場は一般に唯物論または物理主義的と呼ばれる。